雑記170. 2014. 9.18
“ 交雑の妙 ”
 大阪府枚方市にある山田池公園には、京阪神の低地ではあまり目にすることがないミズナラが10数体も植栽されています。それらの樹形や結実したドングリの形状を見ると、典型的なミズナラ以外に他の種類との交雑種と思われるものもあります。

 今年は、4体のミズナラで結実していますが、それらの中に図8-170-1のようなドングリを落とす個体がありました。殻斗の表面を覆う鱗片が棘々しいのと、堅果の首がやや長いのが特徴です(図8-170-2参照)。また、堅果の色はミズナラというよりもカシワに近い感じがしました。

 一方、この個体の樹形に目を向けてみると、葉は葉柄が無く形や大きさもミズナラとそっくりですが、樹皮は同じぐらいの樹齢のものと比較すると、ミズナラよりもむしろカシワに近いです(図8-170-3参照)。ミズナラ、カシワ、コナラ、ナラガシワの種間交雑はごく一般的なので、この個体はおそらくカシワとミズナラの交雑種ではないでしょうか。

 他にも交雑種と思われるミズナラがあって、樹上には面白い形をしたドングリがたくさん見られました。結実までにはもう少し時間がかかりますので、こちらは後日あらためてご紹介します。