雑記169. 2014. 9.14
“ 遂にゲットしました! ”
今から6年前に摂津伊丹廃寺跡 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] で、初めてアベマキの多果ドングリの殻斗を見つけました(*)。以来、この個体でしばしば多果の殻斗を採集してきましたが、なぜかそこに包まれていたはずの堅果は見当たりませんでした。
今年も9月頭から連日この個体をマークし続けていたら、昨日落下したドングリの中から遂に念願の多果の堅果が見つかったのです(図8-169-1参照)。
* 雑記001、雑記026を参照願います。
これは2果のドングリですが、2個の堅果はほぼ完全に一体化しています。パッと見には普通の単果みたいですが、へそや果皮に2つの堅果が合着した境目があるのが分かります(図8-169-2参照)。さらに、普通の単果と首回りの構造を比較してみると、2果は2つの花柱が合体している様子がはっきりと判ります(図8-169-3参照)。
この個体は、毎年他のアベマキとは比較にならないぐらい大量の変形どんぐり “ 変形くん ” (**)を結実します。変形くんをたくさん結実するこのアベマキで、同種では非常に珍しい多果ドングリが結実するという事実は、変形くんが広義の多果ドングリであるという仮説(***)を裏づける傍証になると私は考えています。
** 変形ドングリ “ 変形くん ” については、セクション3-2を参照願います。
*** 雑記162を参照願います。