雑記168. 2014. 9.10
“ フモトミズナラのドングリ ”

 兵庫県宝塚市にお住まいのYさんから、自宅の近くにフモトミズナラが何体か植栽されているとの情報をいただき、9月に入って早々に採集に出掛けました(*)。それから一週間が経過して再訪すると、あらたに別の個体(4体目)からもたくさんのドングリが落下していました(図8-168-2参照)。
* 雑記167を参照願います。

 柔らかい土壌に落下したドングリは花柱や果皮の損傷も無く、食害にもほとんど曝されていない完品揃いでした。それらのドングリには、堅果の首回りの陥没や殻斗の鱗片の大きな隆起といった、フモトミズナラのドングリに見られる典型的な特徴が認められました。

 他にも、一方の堅果が細長い2果のドングリを見つけました(図8-168-3参照)。今までこれに類似したものはシラカシでしか目にしたことがなかったので、個体数の少ないフモトミズナラで見つかったことにとても驚かされました(**)。もしかすると、シラカシほどではありませんが、フモトミズナラも多果の発現率が比較的高い樹種なのかもしれません。
** セクション17の異形多果ドングリの世界を参照願います。