雑記152. 2013.12. 4
“ 人面ドングリ、現る! ”
 はじかみ池公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] を散策していたら、面白い形をしたアラカシのドングリを見つけました(図8-152-1参照)。

 殻斗の一端が、堅果の首に向かって吸い寄せられるように長く伸びて、まるで覆面を被った人の顔のように見えます(図8-152-2参照)。きれいに輪を描きながら、それでいてこのような奇妙な形に変形している殻斗は、とても珍しいのではないでしょうか。

 殻斗を無理やり取り外してその内側の構造を調べてみれば、この殻斗が変形した理由が判るかもしれませんが、一つしかない貴重なサンプルを破壊するのが躊躇われ、最終的に好奇心よりも見た目の可愛さを保存する気持ちが勝ってしまいました。そんなわけで、今回は諦めて外観の観察だけに留めておくことにしました。

 観察の結果、このドングリは成熟しているにも関わらず、変形した部分の殻斗と堅果が癒着しており、両者を簡単に分離出来ませんでした。恐らく、癒着した部分の果皮がほとんど伸長せずに、それ以外の癒着していない部分だけが成長した結果、このような捩じれた形になったのではないでしょうか。