雑記150. 2013.11.26
“ 咲くべくして咲いていたんですね ”
 先週末、兵庫県神戸市の西区にある、途轍もなく長い区間のマテバシイの道(*)に圧倒された後、一日がかりで周辺に点在する公園を探索して廻りました。その結果、3箇所の公園で今年の秋に開花したスダジイの果軸(**)を見つけました。
   * 雑記149を参照願います。

 まずは竹の台公園です。そこにはたくさんのスダジイが植栽されていましたが、それらの中の3体に今年の9月〜10月頃に開花したと思われる果軸を見つけました(図8-150-2参照)。
 因みに、春咲と秋咲の果軸は、前者が既に茶色く変色しているのに対し、後者は鮮やかな黄緑色をしているので両者の識別は容易です
(**)

 同園で秋に開花したスダジイの果軸は、いずれの個体でも樹の頂上付近に少しだけ咲いており、カメラに望遠レンズを装着して注意深く観察しないと見落としてしまいそうでした。
 ** 秋に開花したスダジイの例については、雑記139、148を参照願います。

 次は高塚公園です。ここにも多くのスダジイが植栽されていましたが、1体だけ秋に開花したと思われる果軸を見つけました(図8-150-3参照)。竹の台公園の個体と同様に、この個体でも樹の頂上付近に少しだけ咲いていました。

 そして最後は美賀多台公園です。そこでは2体の秋咲のスダジイを見つけました。1体は前二園と同様に樹の頂上付近だけでしたが、もう1体は樹全体に万遍無く見られました(図8-150-4参照)。

 
 3つの公園で目撃したこれらのスダジイの周辺(半径1km圏内)には、鉄塔や高圧送電線(***)が存在しません。ですから、これらの個体はいずれも春と秋の年に2度開花する形質を持ったものと考えられます。
 
 鉄塔や高圧送電線が発する極低周波の電磁界が、発生源からどれぐらいの範囲までスダジイの開花に影響を及ぼすのか定かではありませんが、せいぜい半径50mから100m圏内と想定していたので、発生源から数百メートルも離れた場所で開花していた山田池公園のスダジイの存在が不可解極まりなかったのですが、今回の調査でマテバシイと同様にスダジイについても季節外れの開花がこれらの構造物と無関係であることが明らかになりました。
*** 雑記141を参照願います。