雑記149. 2013.11.24
“ どこまでも続くマテバシイの道 ”
 先週末も兵庫県神戸市の西神中央公園に行ってきました。午前中にここの散策を終えてから次の場所へ移動するのに、園の北側の通りを歩いていたら、道路に面した西神戸医療センターの駐車場脇にマテバシイが植栽されているのが目につきました(図8-149-1参照)。
 マテバシイは全部で10本ありましたが、11月も終わりに近づいたこの時期になんとそれらの中の4本で開花していたのです(図8-149-2参照)。

 この駐車場を中心とした半径500m圏内に鉄塔や高圧送電線は存在しませんので、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] の様にこれらの構造物が発する極低周波の電磁界(=60Hz)が季節外れの開花に影響しているとは考えにくい状況です(*)

 たぶん、シイの実公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ]
(**)のマテバシイと同様に、ここに植栽されているものも春と秋の年に2度開花する形質をもっているのかもしれません。
   * 雑記138を参照願います。
 ** 雑記091、092を参照願います。


 さて、当日は西神中央公園から南西方向にある竹の台公園、樫野台緑地、樫野台公園を経由して、さらに北側に位置する複数の公園を訪問するために、西神中央公園の北西角の交差点を渡って、図8-149-3にある赤線で表示した通りに入りました。すると、進行方向の道の両側に、遥か先の方まで街路樹としてマテバシイが植栽されているのに気づきました。

 道を歩きながらそれらを数え上げていくと、西神中央公園から樫野台公園に至るまでのおよそ2.4kmの区間に440本もありました。

 今まで、兵庫県三田市のシイの実公園
(**)の周辺道路沿いにある130本のマテバシイでも、一箇所に植栽された数としては相当なものだと思っていたのですが、それを遥かに上回る数に圧倒されてしまいました。

 これだけのマテバシイが植栽されていれば、この時期に開花している個体が必ず存在するはずです。秋に開花するマテバシイを見つけて以来、春と秋の年に2度開花する形質をもった個体が、同種の中にどの程度の割合で存在するかとても興味がありました。

 そういう意味で、今回見つけた一群のマテバシイはほぼ同じ環境下に植栽されており、統計データを取得するのに必要な母数を兼ね備えていることから、この検証にはうってつけの環境でした。

 早速、これらマテバシイについて開花の有無を調査したところ、440本の内の11本が11月23日の時点で開花しているのを確認しました(図8-149-5参照)。これは全体の2.5%に相当します。さらに、西神戸医療センターの駐車場脇にある個体も含めると3.3%になります。
 この結果は、あくまで現時点で開花している個体だけをカウントしたものであり、もしこれらの中に9月〜10月にかけて開花したものがあれば、もっと高い数値になります。

 それはさておき、この結果を見れば、
マテバシイには年に2度開花する形質をもった個体が少なからず存在するのは明白な事実であることがお判り頂けると思います。