雑記148. 2013.11.19
“ 同じシチュエーションで再現しました ”
 これまで兵庫県内では、自宅のある三田市とそれに隣接した神戸市北区を中心にドングリ探索してきましたが、今月に入ってから活動範囲を神戸市西区まで拡げることにしました。というのも、西区にある神戸市営地下鉄の西神中央駅の周辺には、三田市や神戸市北区と同様に広大な緑地や公園がたくさんあるからです。

 因みに、同じ神戸市内でも北区と西区では、自宅のある三田市内からの所要時間が大分違います。北区の場合は、自宅から原付に乗って20分もあれば大抵の採集スポットに行けるのですが、西区の場合は、最寄りの西神中央駅に着くまでに電車を乗り継いで2時間近くかかるので、残念ながら北区の採集スポットのように気軽に訪れることは出来ません。

 先日、初めて西区まで出掛けた時には、西神中央駅に最も近い西神中央公園 [ 敷地面積〜16ha ] を訪れました。ここには、広大な敷地内にクヌギ、アベマキ、コナラ、アラカシ、シラカシ、スダジイ、ツブラジイ等のたくさんのドングリの樹が植栽されていました。

 既に秋も終わりが近づいており、アラカシやシラカシ以外のドングリは既に落下が終了しているか、あるいは落下のピークが過ぎていました。樹下で退色したドングリの中には、興味深い形態が幾つかありましたので、これらについては来年の秋以降にあたらめてご紹介します。


 ドングリの事はさておき、大雑把に園内を探索していたら、山田池公園 [ 所在地 : 大阪府枚方市 ] (*)と同様に、ここでも秋に開花したスダジイを見つけました。
   * 雑記139を参照願います。

 山田池公園では、ほとんどの個体が樹の頂上付近でのみ開花していたのですが、ここの個体は、樹全体に万遍無く開花していました(図8-148-2参照)。まだ蕾の状態の雌花がたくさん見られたので、これから12月にかけて咲くと思われます(図8-148-3参照)。

 冬はもう間近に迫っていますが、花粉を媒介する昆虫の姿もチラホラと見られましたから、ちゃんと受粉出来ていれば秋咲きのマテバシイ
(**)と同じように、来年の今頃にはこれらの花も無事に実を結ぶことでしょう。
 ** 雑記138を参照願います。

 さらに、この個体の周囲にあった別のスダジイにも、今年の9月〜10月頃に開花した果軸が見られました(図8-148-4参照)。

 山田池公園では、秋に開花したスダジイから数百メートル離れた場所に鉄塔や高圧送電線(***)があったので、念のために周囲を見渡したところ、百数十メートルぐらい南側に鉄塔がありました(図8-148-5参照)。これで、西神中央公園でも山田池公園とほぼ同じシチュエーションでスダジイの季節外れの開花が再現したことになります。
*** 雑記141を参照願います。