雑記144. 2013.11. 2
“ 久しぶりに堪能しました☆ ”
 先週の日曜日に、兵庫県宝塚市にお住まいのYさんから採集スポットに関する貴重な情報をいくつか頂きました。その中の一つは、情報を頂いたその日に港湾緑地南公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] でナラガシワのドングリをたくさん採集されたというもので、早速私も現地に行ってきました。

 JR三ノ宮駅からポートライナーに乗って南公園駅で下車すると、そのすぐ隣が南公園でした。敷地面積は約10haで、Yさんに教えて頂いた通り、園内にはたくさんのナラガシワが植栽されており、実際に数えてみると50本以上ありました。一箇所にこれだけたくさんのナラガシワがある公園は、京阪神では珍しいかもしれません。

 しかも、ここのナラガシワのドングリは、京阪神の他の場所のものに比べて桁違いに大きいのです。因みに、当日私が採集したもので最も長い堅果は、花柱の先端からへそまでが43mmもありました。また、最も太い堅果は胴回りの幅が24mmもありました。

 図8-144-3は当日採集したナラガシワのドングリの主な形態例ですが、大半の個体が細長い棒状の巨大なドングリを落としていました。ナラガシワのドングリは、普通堅果の表面にたくさんの細かな毛が生えたものが多いのですが、ここのドングリはほとんどが無毛でした(花柱の周辺に細かい毛が若干見られるものもあります)。

 全体の半数以上の個体でドングリの落下を確認しましたが、リアルタイムで落下していたのは4〜5本ぐらいで、ほとんど
の個体では既に落下が終了していました。来年はもう少し早い時期にここを訪れてみます。

 ナラガシワ以外にも京阪神では珍しいカシワ(10本前後)やクヌギ、コナラ、マテバシイ、スダジイが植栽されていましたが、園内にあるブナ科の樹木で圧倒的多数を占めていたのはウバメガシでした。ちょうど今が落下の真っ最中で、多くの個体からたくさんのきれいなドングリが落下していました。


 以前は、リュックサックの中身が採集したドングリで満杯になるのが普通だったのに、最近では採集よりも写真撮影や調査が中心になってきたので、中身がドングリで満たされることは絶えてありませんでした。ところが、この日は朝の6時半から休み無くドングリを採集することだけに専念し、昼の2時過ぎに南公園駅のホームに立った時には、リュックサックのあまりの重さに身動きがとれない状態になっていました。自宅に着いてからそれを体重計に載せてみると、カメラ等の機材込みで24kgもありました。こんなに重い荷物を背負いながら採集していても、その時には全然重たいと感じていなかったのですから、自分でも呆れてしまいました。

 今回、久しぶりにドングリ採集を満喫させて下さったYさんに、あらためて御礼申し上げます。