雑記124. 2013. 6.20
“ 見慣れない奴が出てきました ”
 コナラの殻斗(果軸)に寄生するタマバチ(*)の虫瘤は、寄生する部位や数の微妙な違いによって様々な形態が生み出されます。図8-124-1は、昨年の10月に塩瀬中央公園 [ 所在地 : 兵庫県西宮市 ] で撮影したものですが、僅か2mm前後の米粒よりも小さなタマバチが、こんなにもユニークでバラエティに富んだオブジェを創出できることにただただ感心させられます。
* セクション9-1を参照願います。


 数年前に始めてこの虫瘤を目にして以来、行く先々で採集しながら、毎年そこから出現するタマバチの姿を観察してきました。今年も5/16〜6/2の期間に、24個の虫瘤から合計:27匹が羽化しました。出現のピークは5/28で、その日だけで12匹が羽化しました。昨年と一昨年は、示し合わせたかのように5/25に複数の虫瘤から出現していたので、5月の末頃にこのタマバチは羽化のピークを迎えると考えて間違いなさそうです。

 今回は、それらの中に一匹だけ見慣れない奴(6/1に羽化)が混じっていました(図8-124-2 右図参照)。大きさは今まで見てきたタマバチと同じぐらいでしたが、触覚が短くて腹部に体節がある点が大きく違っていました。たぶん、タマバチとは別のハチの仲間ではないかと思うのですが、詳しいことは現在確認中です。

 以前、ウバメガシの堅果に形成された虫瘤から、タマヤドリコバチ科の一種と思われるハチの仲間
(**)が出現したことがありました。HPを御覧になられた方から、これは虫瘤を形成したタマバチに寄生する種類であることを教えて頂きました。今回初めて現れたこの虫も、もしかするとタマバチに寄生するハチの仲間なのかもしれません。
** 雑記064を参照願います。


(追記)
 以前、ドングリの堅果に寄生するタマバチについて色々と教えて頂いた方々に、今回新たに出現した昆虫の事で問い合わせたところ、カタビロコバチ科の一種の [ Sycophila variegata : キイロカタビロコバチ ] であることが判りました。キイロカタビロコバチは、その寄主としてタマバチ科の複数種が知られているそうで、恐らくこの昆虫もコナラの殻斗(果軸)に寄生したタマバチに寄生したものであろうとの事です(***)

 それにしても、ミクロなハチの仲間の世界はあまりにも複雑で、虫瘤やそこから羽化した成虫を観察しているだけでは、かれらの生態に肉迫するのはなかなか難しそうです。
*** 詳細なコメントについては、下記のHPにある2012年10月15日付のコメント欄を参照願います。

   http://mushi-akashi.cocolog-nifty.com/blog/cat22090103/index.html [ 明石・神戸の虫 ときどきプランクトン ]