雑記108. 2012.11. 6
“ 丁寧に散布しました ”
 毎年、大量に採集してきたドングリの中から不要なものは自然に還すという意味で、それらを自宅前の庄司ヶ谷池の周辺に散布してきました。その結果、今では池の周辺に30本以上ものドングリの樹が繁茂するまでになっています(*)

 ただ、10年以上に亘っていろんな種類のドングリを散布してきた割には、残念ながらクヌギ、アベマキ、クリ、アラカシ、シラカシ、コナラの6種類しか育っていません。他の種類のドングリの樹も増やしたいのですが、無作為に散布している現状ではこれ以上の成果が望めそうもありません。やはり、多少手間でも予め発根させたドングリを選別して、池の周囲の適切な場所に蒔く以外に有効な手立ては無さそうです。
  * 詳細は、雑記33を参照願います。

 ところで、庄司ヶ谷池は三田市が管理しているので、年に1回、雑草除去を目的とした清掃作業が行われています。ですから、たとえ散布したドングリが芽を出してある程度の大きさまで成長したとしても、それらの大半は雑草といっしょに刈り取られてしまうのです。毎年大量にドングリを散布し続けても、なかなか池の周囲がドングリの樹で埋め尽くされない理由はそこにあります。

 私の植樹活動が公認されていない以上、市の清掃作業を回避して無事に樹木を成長させる唯一の方法は、雑記33にも記載した通り、既存の樹木を起点にして徐々に横方向に植生分布を拡張していく他ありません。そこで今年は、大きな樹木の枝がせり出した下の地面に、発根させたドングリを一つ一つ丁寧に蒔いてみることにしました。今回散布を試みたのは、既に池の周りにある6種類のドングリの樹以外のカシワとミズナラです。

 嫁さんが所有している花壇のプランター(図8-108-1参照)を拝借し、9月に大仙公園 [ 所在地 : 大阪府堺市 ] と長居植物園 [ 所在地 : 大阪府大阪市 ] で採集してきた特大のカシワのドングリ(**)をそこに入れて熱心に水遣りをしました。そして、約1ヶ月が経過した時点で、18個のドングリを発根させることに成功しました(図8-108-2左側参照)。
 さらに、別のプランターには、先月台原森林公園 [ 所在地 : 宮城県仙台市 ] を訪れた際に、公園に隣接した仙台市科学館の前庭(***)で拾ったミズナラのドングリを入れておきました。これらは、採集した時点で既に発根していたものも幾つかありましたが、プランターの中でさらに数週間養生したことで、全てのドングリを発根させることに成功しました(図8-108-2右側参照)。
 これらのドングリの中で、1個でも無事に成長してくれるとうれしいのですが.....果たして、うまくいくのでしょうか??
  ** セクション2-1のカシワの項に、これらのドングリの写真があります。
*** 詳細は、雑記104を参照願います。


 ドングリの散布が終わって、池の周りにあるドングリの樹を何気なく見て廻っていた時に、これまで目にした事が無い大きなアベマキの幼果(今年の春に受粉したもの)を見つけました。

 このアベマキは樹高が5mもあり、私が意図せず散布して大きく成長したドングリの樹の中でも初期の頃のものに該当します。図8-108-3の写真では、この幼果がどれぐらい大きいものなのか判りませんので、普通のサイズのものと並べて比較した写真をお見せします(図8-108-4参照)。

 大きさの目安になるように1円玉といっしょに撮影しました。どうでしょうか?かなり大きいと思いませんか??念の為に言うと、軸の部分は殻斗から伸びている枝であってドングリではありません。軸の先っぽにある鱗片に覆われた丸い部分がドングリの元です。
 
 来年の秋に、このビッグな幼果がどんなドングリに成長するのかちょっぴり楽しみです♪♪