雑記105. 2012.10.25
“ スダジイの幼木に、多果ドングリの予備群が.... ”
 塩瀬中央公園 [ 所在地 : 兵庫県西宮市 ] にある樹高2mぐらいの小さなスダジイの樹に、複数個の多果のドングリが結実しているのを見つけました(図8-105-1参照)。

 スダジイは二年成ですから、今年の秋に見られるドングリは昨年の春に咲いた雌花が受粉して成長したものです。荒山公園 [ 所在地 : 大阪府堺市 ] にある多果多産のスダジイ
(*)ほどではありませんが、このスダジイにも確認出来る範囲で16個の多果のドングリが結実していました。図8-105-2と図8-105-3にそれらの一例を御紹介します。図8-105-3に見られるように、ほとんどの多果のドングリは特定の果軸に集中していました。
* 荒山公園にある多果多産のスダジイについては、雑記65を参照願います。

 成熟した多果のドングリは16個しか確認出来なかったのですが、今年の春に受粉した幼果についてみると、成熟した多果のドングリよりも遥かに多い多果が存在しました。図8-105-4は多果の幼果がたくさん着果した果軸の例です。このようなものが、あちこちの枝に散見されました。多果のドングリを結実しやすいシラカシでも、多果の大半が幼果の段階で消失することから、多果の成長に関してはスダジイでも全く同じ傾向があると考えられます。

 スダジイはシラカシほどではありませんが、ドングリの樹の中ではツクバネガシやアカガシと並んで多果の発生頻度が高い樹種です。ですから、今回見つけたものと同程度か、あるいはそれ以上に多果を生み出す能力をもつ個体が、まだまだたくさんあると思います☆